2025.09.25
前回の記事では、今年4月から、新築住宅などに対して省エネ性能の向上が義務化されたことについて説明しました。 その中では、2030年までに「省エネ基準をZEH水準にまで引き上げること」とされています。改めて、ZEHの考え方についておさらいします。
今年4月から、住宅などの新築や増改築を行う際には、施主に対して、省エネ性能の向上を図ることが義務付けられました。 省エネ基準をベースとして、さらなる省エネ性能を確保する努力義務が目指されています。 さらに、2030年までには、省エネ基準をZEH・ZEBの水準にまで引き上げることも盛り込まれました。
ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、つくるエネルギーと使うエネルギーが差し引きゼロ以下になる住宅のことを指します。
つくるエネルギー(創エネ)とは、太陽光発電や蓄電池などで作ったり貯めたりした電気のことです。 これには、電力会社などから購入するエネルギーは含みません。使うエネルギーとは、普段の暮らしで使う電気やガスなどを指します。 つくるエネルギーの量よりエネルギーの消費量を小さくするためには、エネルギーの使用量を減らし、適正化する「省エネ」 が重要です。
ZEHでは、省エネによってエネルギーの消費量をできる限り減らし、それらを太陽光発電や蓄電池ですべてまかないます。
ZEHでいう省エネとは、エネルギー効率の高い給湯器や断熱性能の高い窓といった設備の導入によって、 エネルギー消費量を削減することを前提としています。そのため、快適な暮らしを送りながら、 特別に意識をしなくてもエネルギーの使用量を減らすことが可能になりま す。
ZEHとして認められるには、断熱性能、省エネ、再生可能エネルギーのそれぞれに設けられた基準を上回る必要があります。 この基準は、地域の特性を考慮して、地域ごとに異なる値が設定されています。北海道と九州とでは気候の条件が異なるため、 全国を一律の基準に統一することはできないからです。また、ZEH住宅を建てることができるのは、 ZEHビルダー/ZEHプランナーに登録された建築会社に限定されているため、新築やリフォームの際には注意が必要です。