環境にやさしく新しいライフスタイルを目指す「デコ活」。地球温暖化の原因とされる二酸化炭素を減らしながら、快適な暮らしをあきらめない取り組みです。今回は、「デコ活」とは何か、具体的なアクションにはどのようなものがあるのか、解説します。

「デコ活」=「脱炭素」+「エコ」

「デコ活」という言葉を聞いたことがありますか?「デコ」というと、デコレーションやデコパージュなどを連想する人もいるかもしれません。しかし、実は「デコ活」は装飾や手芸とは関係がないのです。

デコ活とは、環境にやさしい新しいライフスタイルを目指す活動のこと。それが、なぜデコ活というのかというと、地球温暖化の原因である二酸化炭素を減らすことを意味する「脱炭素(デカーボニゼーション)」と、環境に良いという意味の「エコ」を組み合わせた造語だからです。ちなみに、正式名称は「脱炭素につながる新しい豊かな暮らしを創る国民運動」といいます。

デコ活を通じて実現したいのは、新しいライフスタイルによって豊かな暮らしを送りながら、地球環境を守ることです。地球温暖化などの気候変動は、私たちの社会や経済に大きな影響を与えます。その原因となる二酸化炭素を減らすことは大切ですが、現在の暮らし方を根本的に変えることは現実的ではありません。そこで、最新のテクノロジーを使ったり、これまでの習慣を見直したりして、環境にやさしいライフスタイルを実現しようとするのが、デコ活です。

意外に身近なデコ活のアクション

“新しいライフスタイルによる豊かな暮らし”と言われても、「今一つピンとこない」という人もいると思います。しかし、デコ活には、私たちが何気なく行っていることも含まれています。例えば、省エネ家電への買い替え、家庭ゴミの分別、公共交通機関の利用などもデコ活のアクションの1つです。こうした取り組みであれば、「普段から行っている」という人も多いのではないでしょうか。

デコ活は衣食住のすべてに関係するため、さまざまな取り組みが対象になります。「衣」に関することであれば、着なくなった服をフリーマケットなどに出すことも、デコ活の1つ。食べ残しをなくし、食品ロスを減らすことも、「食」の観点からデコ活に含まれるでしょう。

また、「住」の切り口でいうと、高効率の給湯器であるエコキュート、太陽光発電、蓄電池などを導入することもデコ活の一貫です。こうした設備を使うことは、省エネルギーになるだけでなく、停電などの非常時にも役立ちます。

このように、デコ活は、便利な暮らしを我慢して環境にやさしい取り組みを優先するのではなく、これまで以上に快適な暮らしを送りながら、地球環境を守るアクションも同時に行うことを目指す取り組みだと言えます。