2025.07.25
エネルギーを自分の国で生産・確保できる割合を「エネルギー自給率」といいます。日本は資源が少ないとされていますが、エネルギー自給率の世界ランキングでは何番目に位置しているのでしょうか?私たちの暮らしに欠かせないエネルギーについて考えてみませんか。
エネルギー自給率とは、一次エネルギーを自分の国で生産・確保できる割合のことを指します。一次エネルギーとは、自然界から直接得られるエネルギーのことです。一次エネルギーには、石炭や石油、天然ガスといった化石資源の他、原子力、水力、太陽光、風力、地熱などがあります。
経済産業省・資源エネルギー庁によると、OECD加盟国における一次エネルギー自給率の世界ランキングは下図の通りです。
世界ランキング第1位の国は、北欧のノルウェーです。ノルウェーの国土面積は38.6万平方kmと日本とほぼ同じですが、豊富な石油・天然ガス資源に恵まれています。石油・ガスを欧州諸国を中心に輸出しており、自国のエネルギーは水力発電によって生産しています。こうした背景から、アルミニウムやシリコン、化学肥料など、電気を多く消費する産業が盛んです。
続いて、第2位のオーストラリアは石炭や天然ガスといった化石資源が豊富です。石炭と天然ガスは、オーストラリアの主要な輸出品の第2位と第3位を占めています。なお、第1位は鉄鉱石です。日本もこれらの資源を多く輸入しており、日本が輸入する石炭の約4割はオーストラリアからのものです。
カナダは石油・天然ガスの産出国で、日本を含むアジア諸国へ液化天然ガス(LNG)を多く輸出しています。また、ナイアガラの滝に代表される水資源も豊富で、水力発電が古くから盛んに行われています。なお、ナイアガラの滝にあるナイアガラ・パークス水力発電所は1900年代初頭に完成した歴史ある発電所となっています。
2022年度の日本の一次エネルギー自給率は12.6%です。これは、38の先進国が加盟するOECDの中で、第37位と極めて低い水準です。その理由として、日本には石油や天然ガスといった化石資源がほとんどないことが挙げられます。国内でも、新潟県や秋田県などに油田があり、石油が採掘されていますが、国内での石油の使用量の1%にもみたない量です。
水力や地熱、太陽光、風力といった国内にある資源で発電できる再生可能エネルギーの活用が進められていますが、エネルギー自給率の向上のためには、さらなる有効活用が求められます。