2025.03.25
この春から、東京都や神奈川県川崎市で新築住宅などへの太陽光発電の設置を義務付ける新制度が始まります。どのような制度なのか、誰が対象となるのか、話題の新制度を詳しく見ていきましょう。
東京都では、2025年4月から大手のハウスメーカーなどの事業者に対して、新築する延べ床面積2000平方メートル未満の建物に対して、太陽光発電設備などの設置を義務付けます。新築住宅などが含まれますが、既存の建物は対象外となっています。義務化の対象は大手ハウスメーカーであり、住宅の施主などの個人は直接の対象とはなっていません。
新築住宅などへの太陽光発電設備の設置にあたっては、大手ハウスメーカーなどが、日照などの立地条件や屋根の面積といった条件を踏まえて判断します。また、屋根の面積が一定の規模に満たない住宅などについては、設置の対象から除外することも可能になっています。
東京都では、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量のうち、約7割が建物でのエネルギー使用から発生しています。また、建物は一度建築されると、数十年という長期にわたって使用されます。2050年に存在する建物のうち、約半分がこれから新築されることが予想されています。そのため、建物によるCO2排出量を抑えることが、地球温暖化などの気候変動対策に有効だと考えられています。
東京都のこの春からの新制度では、太陽光発電設備だけでなく、断熱・省エネ性能などの向上も義務付けられます。住む人にとっては、光熱費の削減に役立つことに加えて、ヒートショックなどを防ぎ、快適性がアップするメリットもあると考えられます。
2025年4月からは、東京都と神奈川県川崎市で太陽光発電の義務化が始まります。川崎市では、都と同様に大手ハウスメーカーを対象とした仕組みになる見通しです。それに先立って、群馬県は2023年4月から、延床面積2000平方メートル以上の建築物を新築・増改築する際に太陽光発電設備などの設置を義務付ける条例を施行しています。また、京都府は2012年から同様の条例を実施しています。
現在、太陽光発電設備などの設置を義務付けるルールを検討している自治体としては、神奈川県相模原市、千葉県松戸市、長野県、宮城県仙台市などがあります。
(参考:東京都 太陽光ポータル)