2024.12.25
住宅の新築やリフォームを考えている人は「ZEH」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。ZEHとは何なのか、どのようなメリットがあるのか、わかりやすく解説します。
ZEHとは、「ゼロ・エネルギー・ハウス」の略。ゼロ・エネルギーという理由は、つくるエネルギーと使うエネルギーが差し引きゼロ以下になるからです。専門的な言葉では「エネルギー収支がゼロ以下」といいますが、光熱費ではなく、エネルギー量の差し引きのことを指します。
つくるエネルギー(創エネ)とは、太陽光発電や、蓄電池などで電気をつくり貯めること。電力会社などから購入するエネルギーは含みません。使うエネルギーとは、普段の暮らしで使う電気やガスなどを指します。つくるエネルギーの量よりエネルギーの消費量を小さくするには、省エネが重要になります。
ZEHでは、省エネによってエネルギーの消費量をできる限り減らし、それらを太陽光発電や蓄電池ですべてまかないます。なお、条件によってはつくるエネルギーが使うエネルギーを上回ることがあります。
省エネというと、快適な暮らしを我慢したり、不便を強いられたりするイメージを持つ人がいるかもしれません。しかし、ZEHでいう省エネとは、エネルギー効率の高い給湯器や断熱性能の高い窓といった設備の導入によってエネルギー消費を抑える考え方に立っています。
ZEHとして認められるには、断熱性能、省エネ、再生可能エネルギーのそれぞれに設けられた基準をクリアする必要があります。地域の特性を考慮して、地域ごとに異なる基準が設けられています。また、ZEH住宅を建てることができるのは、ZEHビルダー/ZEHプランナーに登録された建築会社に限定されています。
ZEHでは、自宅でつくったエネルギーを使うため、電力会社などからの購入量を減らすことができ、光熱費の削減に役立ちます。また、断熱性能が高いため、室内の温度を一定に保ちやすく、快適性がアップするというメリットもあります。さらに、エネルギーの自給自足が可能になるので、災害時などに停電しても電気を使い続けることができます。
このように、ZEHにはいくつものメリットがありますが、高性能な住宅設備や素材を使うことから、初期投資が大きくなりやすいデメリットもあります。ですが、ZEH住宅を建てる際には、国の補助金を活用できる場合があります。これから新築やリフォームをする人は、ぜひZEHを考えてはいかがでしょうか。