2024.10.25
天気予報で「エルニーニョ現象」や「ラニーニャ現象」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、具体的にどのような現象なのか、詳しく知らないという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、エルニーニョ現象とラニーニャ現象とはどのようなものなのか、わかりやすく説明します。
通常、太平洋の熱帯域では、「貿易風」という東風が吹いています。
そのため、海面付近の暖かい海水が西に流され、太平洋西部のインドネシア近海では暖かい海水がたまります。
その一方で、太平洋東部の南米沖では、海底から冷たい海水が湧き上がっています。
エルニーニョ現象とは、太平洋の熱帯域の海水温が高くなり、その状態が1年ほど続く現象のことです。
エルニーニョ現象が発生すると、太平洋の海水温が東部で高く、西部で低い状態になります。
水温の変化によって、太平洋東部で海水の対流活動が活発になることで、インドネシアや南米などでは雨が少なく気温が高くなる一方で、日本では冷夏、暖冬になる傾向があります。
ちなみに、エルニーニョとは、スペイン語で「男の子」という意味です。
ラニーニャ現象とは、エルニーニョ現象とは逆に、太平洋の海水温が西部で高く、東部で低くなること。
太平洋の西部で海水の対流活動が活発化することから、インドネシアでは雨が多くなります。
日本では、エルニーニョ現象のときとは反対に、猛暑、厳冬になりやすくなります。
ラニーニャとは、スペイン語で「女の子」を意味します。
エルニーニョ現象とラニーニャ現象は、それぞれ数年おきに発生しており、世界中の異常な天候の要因の1つだと考えられています。
これらの現象がいつ起こるかを正確に予測できれば、多くの国にとって極めて有益でしょう。
しかし、エルニーニョ現象・ラニーニャ現象の発生を予測することが難しい理由の1つに、南方振動(ENSO)という変動が挙げられます。
南方振動とは、海面の気圧がインドネシア付近と南太平洋東部でシーソーのように変動していることです。
南方振動は、貿易風の強さに影響するため、エルニーニョ現象・ラニーニャ現象と深い関わりを持つと考えられています。
この南方振動の発生を予測できれば、エルニーニョ現象・ラニーニャ現象が起こるかどうかをあらかじめ把握しやすくなるでしょう。