2024.02.07
寒い冬には、1日の終わりに暖かいお風呂にゆっくりと浸かってリラックスしたいものです。
しかし、脱衣所やお風呂場が冷えたままだと、体に負担がかかって、最悪の場合「ヒートショック」を起こしてしまうかもしれません。
今回は、ヒートショックとは何か、安全にお風呂を楽しむにはどういうことに注意したらよいのか説明します。
ヒートショックとは、わかりやすくいうと、急激な温度の変化によって体がダメージを受けることです。
脱衣所や浴室は、家の北側に位置している場合が多く、暖房器具がないケースも多いため、冬場には冷え込んでしまいます。
暖かい部屋から寒い脱衣場にやってきて衣類を脱ぐと、急激に血圧が上がって、急に具合が悪くなったり、失神したりすることがあります。
これをヒートショックと呼びます。高齢の方の場合には、心筋梗塞や不整脈、脳梗塞などを引き起こす恐れもあり、とても危険です。
ヒートショックは、脱衣所や浴室だけでなく、寒いトイレでも起こりやすいと言われています。
古い住宅では、トイレや浴室が家の北側にあることも多く、昼間でも寒いことも十分考えられます。
こうした場合には、ヒートショックを起こさないように、しっかりと対策することが大切です。
お風呂に入る前にちょっとした対策をとっておくことで、ヒートショックのリスクを減らすことができます。
脱衣所には、小型の暖房器具をおいて入浴前から温めておきましょう。
浴室は、お風呂の湯はりが終わった後によくかき混ぜて、浴槽のふたを開けたままにしておくと、浴室内を温めることができます。
また、浴室の床にマットを敷くのもよいでしょう。浴室が古くて対策しても温まりにくいという場合には、浴室そのもののリフォームも検討しましょう。
食事のすぐ後やアルコールを飲んだ後は、一時的に血圧が下がります。
食事や飲酒の直後に寒い脱衣所に行くと、急激に血圧が上がって、失神してしまう恐れがあります。
食後すぐや飲酒の後は、しばらく時間をおいて入浴するようにしましょう。
また、入浴する前には必ず家族にお風呂に入ることを伝え、万が一、入浴中に異変が起こってもすぐに気づいてもらえるようにしておきましょう。
入浴中のヒートショック対策としては、次のようなものがあります。
高齢の方ほど熱いお風呂を好む傾向にありますが、42℃を超えると、血圧が上がって体に負担がかかる恐れがあります。
お風呂の温度は、できるだけ41℃までを目安にするのがよいでしょう。
浴槽から急に立ち上がると、お風呂のお湯によって体にかかっていた水圧が急になくなるため、めまいを起こすことがあります。
お風呂の中で倒れると、とても危険です。お風呂から立ち上がる際には、ゆっくりした動きを心がけましょう。
また、もし、お風呂の中で倒れそうになったら、お風呂の栓を抜いて、顔が水につからないようにすることが大切です。
リラックスする場所であるお風呂で起こるヒートショックは、とても怖いものです。
今回、ご紹介した対策をしっかりと実践して、家族全員でお風呂を楽しめるように心がけましょう。
脱衣所が浴室、トイレが寒くて温まりにくいという場合には、断熱リフォームや浴室リフォームも検討してみてはいかがでしょうか。