2023.09.15
電気で住宅のすべてのエネルギーをまかなうオール電化は「地震などの災害には弱い」と言われることがあります。
しかし、果たしてオール電化は本当に災害に弱いのでしょうか?電気や水道、ガスといったライフラインの復旧状況に関する実例を参考にしながら、災害対策としてのオール電化について解説します。
私たちの暮らしを支えるライフラインには、大きく分けて電気、水道、ガスの3つがあります。
実は、これらのうちで災害時にもっとも早く復旧するのが電気なのです。
具体例をあげて説明すると、2016年4月14・16日に発生した熊本地震では、熊本県北部を中心に大きな被害をもたらし、最大1万7000戸が停電してしまいました。
しかし、迅速な復旧対応や、全国から発電機能をもつ自動車である電源車が100台以上集まったことなどによって、4月20日には停電が解消したのです。
これに対して、水道や都市ガスが復旧したのは5月に入ってからでした。
熊本地震だけでなく、東日本大震災や新潟県中越沖地震でも電気の復旧がもっとも早かったとされています。
これらのことから、電気はライフラインの中でももっとも復旧が早いことがわかります。
そもそもオール電化住宅とは、照明や家電だけでなく、調理や給湯などすべての熱源を電気でまかなう住宅のこと。
お湯をつくる給湯器としては、空気の熱の力を使ってエコにお湯を沸かす「エコキュート」があります。
エコキュートやは、お湯をつくる「ヒートポンプ」という機器とお湯を貯める「貯湯タンク」の2つのユニットで構成されています。
必要なタイミングで瞬時にお湯を沸かすのではなく、あらかじめたくさんのお湯を作って貯めておくのが特徴の「貯湯式」の給湯器です。
そのため、エコキュートは、災害時に貯めておいたお湯を取り出して生活用水として使うことができます。
エコキュートのタンクには、常に370〜460リットルという大量の水が貯められています。
災害時には、この水をバケツなどに取り出すことができる機能が搭載されていて、手洗いなどの生活用水として使うことができるのです。
こうした背景から、オール電化住宅は、電気とガスを併用する住宅と比べて災害に強いと言えます。
そのため、オール電化住宅では、災害時でも電気が復旧すれば普段に近い暮らしをしやすいと言えるでしょう。
最近は、毎年のように大雨が降ったり強い台風がきたりするなど、災害への備えの重要性が高まっています。
これからリフォームや新築を検討しているという方は、ぜひオール電化住宅にして災害対策を万全にしてみてはいかがでしょうか。